天然酵母について

リテイル ベーカリーのみならず、大型店においても、天然酵母というフレーズが頻繁に使われる様になって久しいですが、このあたりで、天然酵母というものが、何であるのか再確認する必要があると思いました。

多くのリテイルベーカリーがそのことを安全性のある、自然の物は良いというひとまとめで済ましているような気がするので、(消費者の方は店の示した情報をうのみにするしかないでしょうから)なるべく分かりやすく、示しておこうと思います。

・長時間発酵による独特な食感、食べ口。
・イースト以外の雑多な細菌の活動で残る、独特な芳香と酸味。
・イーストだけでは現れて来ない風味の豊かさ。
・種おこしに使った素材が、焼き上がったパンに影響している事。

上記のことにはずれるようならば、天然酵母としては、説得力に欠ける気がします。とくに、市販の天然酵母を用いて作ったパンだと、職人としては、力不足だし、なにより、自家製天然酵母のイーストを使った、画一的なパンから脱却するという大義からそれてしまいます。

ありとあらゆるパンが、市販の天然酵母で作られることが流行っていますが、私はそこに意味を感じないので、少量のイーストを添加してパンを作っています。(もちろん天然酵母のパンはありますが・・・)

私の物を作る職人資質として、天然酵母というフレーズを、商業的な意向で使う事や、盲信的な欧風文化への憧れを利用しないように心がけます。

私の尊敬する職人の方々も言っている事ですが、良いものを作ろうとする事は、少し社会の流れに反発するような気持ちが必要なのかも知れません。

参考、一部引用させて頂きました。

「プロのためのわかりやすい製パン技術」- 江崎 修 様著
「お菓子のこつ科学」- 河田 昌子 様著
「パンのこつ科学」- 吉野 精一 様著

2005年11月22日 20:24

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